∴ Ariukhの景仰 雌伏篇

Ariukhの恍惚　飛翔篇の続き



装飾を99.9に上げ、ジュエルマスターとなった僕は
ここまで引き立ててくれたり、協力してくれた方々に何かお礼をしようと思った

まずは何をおいても社長である
社長にはスキル上げの途中に作った丸サングラスをプレゼントした
ちょうど今着けている物が壊れそうだったらしく

「おう、直そうと思ったら馬鹿みてぇに金がかかるからよ、買い換えようと思ってたところだよ」

FSに紹介してくれた兄貴には適当に作ったゴールドサークレットをくれてやった
スキル上げにはあまり貢献してないしな

そして、材料集めに多大な協力を頂いた兄貴のお弟子さんには
リクエストにお応えして、ルビーのジェルアクセサリーを作った
リングとイヤリングを作ったが
リングはMG、イヤリングはNGとなってしまった
スキル上げ以外で初めて製作した物だから
両方ともMGで統一したかったが、材料の関係上断念せざるを得なかった
（いずれこっそりとMG品と摩り替えてみようかと思う）
しかし、お弟子さんには大変喜んでいただいて、光栄の極みでございます
でも、「家宝にします！」は大袈裟ではないかと思われ・・・

さて、FSに正式加入し正社員となった僕だが
正社員になれば給料とかボーナスが貰えるのだろうなぁ
などと淡い期待を抱いていた時期が僕にもありました・・・

「おう、うちは完全歩合制だからよ」

完全歩合給っすか・・・
材料はいっぱいあるから自分でモノ作って販売すれば
それがそのまま僕の収入となるわけだが
殆どのアクセサリの値段なんてたかがしれてるし・・・
高価な品もあるけど、アクセサリの消耗はそんなに激しくないから
買い替え需要もあまりないし・・・
もしかしたら、ちょくちょく駄賃貰っていた見習い時代の方が高収入だったんじゃないか・・・

そもそも、社長自身からして真面目に商売する気配がほとんど見られない
素材屋を謳っているわりには、金属関係の取引が成立するのは稀である
そのくせ暇つぶしがてらに採掘に行っちゃうものだから
インゴットの在庫は貯まる一方である
ミスリルインゴット300個なんて、何に使えってんだ

逆に材木関係の取引は頻繁にあったりする
特にFS＜喫茶なごみ＞の方々は得意先らしく
木の板材の注文が千枚単位でくる
社長の代理で板材を納品しに行った時も
二千枚の板材を納品してきた
しかし、ウチの社長はあまり利益追求に熱心では無いらしく
板材を一枚10Goldで卸している

社長！たまに板材一枚20Goldで買い取ってるところがあるんですが！
露店で販売すれば、もうちょっと高く売れるのではないですか？

「おう、千枚切るのに一時間程しかかかんねぇから、そんなもんでいいだろ。露店するの面倒だしな、ｶﾞｯﾊｯﾊｯﾊ！」

・・・大丈夫かな、このFS
いやいや、自分だけでもちゃんとしよう
しっかり相場を調べて、利益の出るようにしよう
僕はそう決意した



空いた時間を利用してネクロマンサーになってみた
やはりネクロのシップ装備はカッコイイ・・・、頭以外はね

兄貴とツーショット